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卵巣機能の自然経過

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 上記の図は、自然周期の卵巣機能が悪化してゆく様子を、卵巣の卵胞数とホルモン値との相関関係を示しました。卵巣と下垂体はお互いに調節し合っていて、生理中は卵胞ホルモンが低いので下垂体が抑制されていないため、また高温期の E2,P4 などのホルモンの抑制がなくなって下垂体の分泌が亢進しているために下垂体卵巣機能の評価は月経中のDay3〜Day5辺りで採血検査します。

 卵巣機能がやや低下する=「卵巣の0.2mmほどの小さなものから5mmまでの Totalでの卵胞数が少なくなり」、それらが分泌する下垂体を抑制する抑制因子が少なくなります。すると、下垂体からFSHが力強く分泌されるようになるためFSHの濃度は上がらないのですが、卵胞がやや強くいつでも刺激されます。 通常黄体期では、黄体が出す黄体ホルモン(10〜20)と卵胞ホルモン(200〜300)によって、下垂体は十分に抑制されて卵胞は発育しないのですが、この黄体期において刺激されてしまうため、次周期の月経のときに大小不同の卵胞が出てくる事になります。
 さらに卵巣機能が低下する=さらに卵胞数が少なくなり下垂体を抑制する因子がさらに少なくなると、下垂体は分泌する間隔さえも短くなってくるので、FSH値の上昇となります。こうなると黄体期の卵胞もより強い刺激にさらされますので、さらに月経時の卵胞の数は少なく、また大小不同が目立ってきます。

 通常なら月経周期Day10〜12あたりで主席卵胞径が13〜14mmとなると、主席卵胞の出す卵胞ホルモン(通常100pg/mlほど)で下垂体からのFSH分泌が抑制され、次席卵胞以下の小さな卵胞はアポトーシスを起こして閉鎖卵胞においこまれるのです(単一排卵のメカニズム)。しかし、その卵胞鵜数がさらに減少して下垂体を抑制する力が弱くなると、下垂体の刺激がさらに強くなって、単一排卵のメカニズムが働かずに、閉鎖卵胞に追い込まれる事も無く、排卵期に2〜3個の大きな卵胞が見える様になります。これが見えるようになったら、卵巣機能は大分悪くなっている事が分かり、実際AMHの値は1ng/ml前後になっていると思います。このとき全部排卵すれば、自然周期での多胎が発生し、また排卵できなかった場合は、次周期の月経中にφ30mm前後の大きな嚢胞が見えるようになります。ですから、月経中に大きな嚢胞が見えた時は、相当卵巣機能は悪化していると思って間違い有りません。(勿論以前からの単純性嚢胞との鑑別は必要ですが・・) 
さらに悪化してくると、大きな卵胞も無くなり、文字通り本当の意味でも閉経になってしまいます。