妊娠体質づくり

生活習慣について

◎適度な運動

生活が洋式化した現在、適度な運動をする事は健康維持をするために必須項目となっています。
なぜそのように断言できるかと言うと、昔の日本人の生活は、座卓で食事や諸事を行い、お布団で寝て、トイレは和式で屈んで用を足していました。このような生活の中で、座して立ち上がるという動作を少なくても30~50回はしていたでしょう。これは毎日そのくらいのスクワットトレーニングを毎日していて、人間の最大の筋肉群である大腿4頭筋や腓腹筋を鍛え、筋肉から発生する熱で基礎体温を上げて、基礎代謝を上昇させていました。
不妊症の方においては、筋肉を鍛えて常に発生している熱で体温を上昇させ、基礎代謝を上げる事は非常に有用です。アフリカやインド、中国の田舎の貧しい生活をしている人々たちが多産であるのは、足の筋肉を鍛えると妊娠しやすくなる事の証明にもなっています。日本が終戦直後からの人口爆発は政府が奨励していたためばかりではなく、食べる事に不自由にしていた戦後の女性たちは一生懸命働いて、筋肉を酷使し、代謝を上げていたおかげで戦後のベビーブームとなっていったことも
、栄養ばかりでなく、運動も大変大切だという事を教えてくれます。上記の反対として、アフリカやインドの富裕層社会においては不妊症が日本と同じように蔓延しています。 現代社会では女性は仕事中脚の運動をできない環境に有りますので、勤務中に目立たたず、卵巣や子宮の血流を座りながらでも効率的に改善できる骨盤体操を学ぶ事が大切です。日本で骨盤体操を体系的に理論化して多くの女性をもっとも効率的に救ってきた立花みどり先生を当院にお招きできた事はたいへんありがたい事です。
当院では、その他に、家の中の大掃除とトイレ後のスクワットをお勧めしています。特に大掃除は疲れますが、やり遂げた時の達成感と清々しさは最高です。ご主人も喜んでくれるし、赤ちゃんを迎える最高の環境を整える事にもなります。年末のように一気にやるのではなく、一部屋を4等分して今日はこのコーナー、明日は反対側のコーナーというように継続して楽しみながらしてください。
また、脚は「第二の心臓」と言われています。即ち足を還流した血液は、心臓の血圧では静脈血を押し上げる事はできず、足の筋肉の収縮により、筋肉中の静脈が圧迫されて血液が押し上げられ、静脈の弁で逆流を防いで、下肢の循環は保たれています。 でも、多くの方が椅子に座りっぱなしで、足の筋肉を使っていません。ですから座り続けていますと、足の循環が良くないので骨盤内の血流も悪化し、活性酸素などが骨盤内に多く発生して骨盤内に炎症がおこり、生理時の月経血が卵管を通して骨盤内に逆流すると月経血中の子宮内膜が生着しやすい環境ができてしまいます。ですから生理痛の酷い方や子宮内膜症の方は日頃から出来るだけ歩いたり、下肢を鍛えると症状が軽快してきます。長く椅子に座る事はしないで、1時間座ったら5分~10分脚を前後に動かすようにするだけでも効果有ります。


○規則正しい生活

規則正しい生活を出来るだけ心掛けましょう。
当たり前のことを言っていますが、時間に追われている現代では、なかなか実行出来ないのが現状だと思います。
例えば就寝時間です。
気付くともう午前0時過ぎ・・・ということはありませんか?
出来れば夜10時には床に就くようにして下さい。若返りホルモンである成長ホルモン(GH)が、夜10時~夜中2時頃に一番出やすいので、これを習慣づけて就寝するだけでアンチエイジングも図れるのです。そして規則正しい生活への大切な一歩です。

規則正しい生活を心掛けた上で、日々の生活習慣も見直して下さい。 老化だけではなく、様々な病気の要因にもなる喫煙や過食、ストレスについて各ページをご覧いただき改善するようにして下さい。


×睡眠不足

現代人にとって一番不足しがちなのが睡眠ではないでしょうか?
睡眠は皆さんは無駄にとっているように思える方も多いので、少し無理して削減している方が多いのではないのでしょうか?
睡眠は決して無駄ではありません。一つは昼間の記憶の整理に使われたり、体を動かして活性酸素で傷ついた体細胞の遺伝子を修復する環境を整えてガン発生を抑制していてくれます。睡眠が少ない方にガンが多いのはこのためもあると思います。

また、副交感神経を活発にして、体の血流を促進し、自分ではなかなか気付きにくい交感神経の過度の興奮を抑えて、体を最高の状態に維持するように頑張ってくれています。

成長ホルモン(GH)夜10時~夜中2時頃が一番出やすいと言われています。ですから毎日夜10時には就寝出来るように習慣づけましょう。
体は一定の時間になると眠りに就くように習慣づけると深い眠りに難なく入れますので、翌日はすっかり元気でしっかり仕事や家事に励めます。
ストレス発散にも睡眠はプラスに働きます。出来れば運動をしてストレスをさらに発散させ、血流を促進した後に、十分な睡眠を促してくれますので、適度な運動も心掛けてとるようにして下さい。


◎副交感神経と不妊治療

安保先生の本から学んだことですが、人間の白血球中の好中球やマクロファージはファイティングホルモンであるアドレナリンのレセプターを持ち、人間が緊張するとアドレナリンが出て好中球やマクロファージを刺激・活性化して活性酸素を多く出すことが分かっています。また逆に、ヒトがリラックスして副交感神経が活性化されている時は、好中球やマクロファージは抑制されて活酸素の分泌を抑制します。またリンパ球を増やして液性免疫も活性化、ウィルスや癌細胞をやっつてけてくれます。さらに、リンパ球の理想的な割合は35~45%、20%台はストレスが多いことを教え、10%台は進行癌などにかかっている事が多いので、注意してください。

ここで思い出して欲しいのは、活性酸素が出ると、体の組織はボロボロになり、体が早く老化してしまうと言うことです。ですから一流選手は早死にし、一流アスリートや野球選手のピークがなかなか持続しないのはこれに依ることが大です。何の予防もしない激務や嫌々の仕事は相当体に悪いと言うことを理解してください。仕事のOnとOffをしっかり分けないと行けないという理由はここにあります。しかし自分が興味を持って困難に立ち向かうときにはその様な活性酸素の発生量は大変少なくなり、反対に嫌々しながら仕事に立ち向かうときには何倍にも増してその人の体をボロボロにしてしまうのです。

H21年12月の Infertility study group の勉強会に行き、浅田レディースクリニックの浅田先生は、人間が出す遠赤外線の波長と同じ遠赤外線が出せるサンビーマーという温熱治療器と不妊治療というテーマで話されていました。その中で 「サンビーマーを導入した最初は難治性の人が何となく減って、その中でも超難治性で妊娠した人に聞くと、サンビーマーのおかげという答えが返ってきたことがあった。今でも、妊娠した人の手記にサンビーマーのお陰と書いてくる人がかなりいる。今回調べてみると妊娠率だけでなく、流産率が低かったのには驚いた。」というお話をされていました。

これはすなわちストレスをおして不妊治療を受けている患者さんが、快適、気持ち良い、癒される、温かい等の副交感神経を刺激するサービスを受けると体の活性酸素は下がり、妊娠率が上がると言うことを教えてくれています。反対に治療を受けながら不快な感情や怒りを覚えた場合は、患者さんは活性酸素の嵐で体中がボロボロになり、妊娠するような卵子や精子ができにくくなるのです。すなわち、医療とは医者がしているものばかりではなくて、受付の優しい笑顔や気の利いた対応、看護師の優しい声掛けや笑顔、自分を心配してくれているという思いやり、検査ならば体外受精時の患者さんとの懇切丁寧な対応全てが医療なのです。



喫煙の悪影響

タバコは1本吸うと活性酸素が体の中に発生し、レモン1個分のビタミンC 200mgを補わなければならないと言われています。
タバコには下記のよう毒が含まれています。


タバコの成分

<粒子状物質>
ニコチン・タール:これらは紙巻タバコのフィルターの高性能化で削減できます。気を付けなければいけないのは、低タール・低ニコチンのタバコに代えたから安心だと思われる方がいることです。しかし下記の気相物質はフィルターで低減出来ないので、禁煙しようと悟られるのが賢明です。

<気相物質>
  1. 一酸化炭素:これはヘモグロビンに酸素と較べて20倍も強力に親和して酸素の結合を阻害し、高度になると酸欠状態を必ず招き、無味無臭なので全くきずかないうちに意識がなくなってきてしまいます。大変危険な物質です。
  2. 窒素酸化物:タバコの燃焼温度は高温なので、空気中にある窒素が吸う時に高温にさらされて空気中の酸素と反応して窒素酸化物が発生します。窒素酸化物を出すので有名なのはディーゼルエンジンで、高温高圧のシリンダー内で窒素が酸化されて出てくるのと同じです。最近は尿素を添加して窒素酸化物も大分減っていますが、タバコを吸ってる人はそれを直接吸い込んでいることと同じなのです。)
  3. アンモニア:「田舎の香水」と一昔前は揶揄されました。)
  4. シアン化水素:殺虫剤のほか、アウシュビッツでの毒ガスとして使用された様に、動物にとって致死性の毒物です。
  5. ダイオキシン:タバコの煙には猛毒のダイオキシンも検出されたと言われています。ですから副煙流を嗅がされている人が、怒るのも無理もありません。

体への影響

女性がタバコを吸うと、活性酸素によるシミ・コラーゲン繊維の減少によるシワ・皮膚の代謝が阻害されることによる肌荒れが出来てきます。 また妊娠中に吸っていると胎児の発育遅延を招きます。更にはタバコ20本を毎日20年以上吸った場合閉経が2~3年早まるといわれています。

男性の場合、毎日20本タバコを吸っていたご主人(精液所見が運動率10~20%で人工授精や体外受精と言われかねないような方)が、禁煙を1ヶ月しただけで運動率が簡単に40~50%に回復したケースが多々あります。
またタバコを吸われている方の精子の遺伝子異常を増やすことがさまざまな論文で言われています。

このサイトをご覧になった方は、是非喫煙を辞めて下さい。タバコは以前から「百害あって一利なし」と言われていますがこれは真実です。