2019年 大宮レディスクリニックの抱負
今年はスタッフ一同皆様の不妊治療、一般婦人科、がん患者様の免疫力や体力向上をサポートしていきたいと思います。
1月からは新たに柳 由紀(やなぎ ゆき)医師が加わり、外来診察しております。婦人科受診が不安な方も継続して安心して受診いただけます。
皆様の幸多き年になりますようスタッフ一同をお祈り申し上げます。
“2019年” 不妊治療改善の試み
- 食物繊維とタンパク質を多く摂取する栄養指導と処方による体質改善のコスト負担を減らせるように努力します。特に食物繊維(特に水溶性食物繊維)を多く摂取すること、子宮内感染の診断基準を厳しくすることにより、昨年の後半期は凍結胚移植で50%以上の妊娠率が達成できるようになってきました。
- 男性の精液検査を強化します。今までは直接精子の遺伝子の損傷を調べる「DFI」検査を男性不妊外来で取り入れましたが、今年はさらに精液の液体部分「精しょう」成分の分析を追加して男性の生活習慣や体質改善について、もっと具体的なサポートをしたいと思います。
これによって、妊娠しても流産してしまう方や全く受精しない方の原因を少しでも減らせる可能性があります。 - 多くの施設でタイムラプス付き卵培養装置を導入し、妊娠率50%以上の妊娠率を得ていると言われいます。当院でも4月以降に導入していく予定です。この装置のポイントは、細胞分裂の異常を検出し染色体異常胚を除外し、さらには代謝が悪く元気がない受精卵の除外が可能になるだけです。それでもこれによって異常胚でない、正常と思われる受精卵を戻すことによって、今年は凍結胚移植で妊娠率70%を目指したいと思います。
- 年齢の高い不妊の方で主に問題となるのは、流産率の上昇です。それを抑制する可能性が高いのがサーチュイン遺伝子です。元々不妊に効果がある黒ガリンというサプリを扱っていますが、これは抗糖化と脳のボケに良いと言う研究結果が出ています。最近になってサーチュイン遺伝子の活性化を調べたところレスペラトロールより活性化するという結果が未発表ですが得られています。糖代謝異常の女性や高齢不妊や原因不明の流産の方などに効果的です。
- 今年は皆さんの負担を更に減らすべく、注射薬の金額を保険点数に近づけて、ペンタイプの注射がしやすくしました。AMHの費用をコストダウンしたり、皆さんが妊娠した時に心配しているビタミンAの測定を価格を下げ測定できるようにして、妊娠初期に最も必要なビタミンA, D, E などが確認できるようにし、安全で十分な栄養状態なのかをお知らせしたいと思います。
《過去の実施状況》
- 子宮内免疫検査 Th1/Th2 2018/6月下旬~
妊娠するためにはヘルパーT2(Th2)細胞が有意に多いなら妊娠しやすいとされています。 - 精子クロマチン構造試験 「DFI検査」 2018/2月下旬~
男性の精子の遺伝子の損傷も不妊と大いに関わっていることが分かって来ました。 - 卵巣の若返り 2017年11月~
卵子の老化が、卵巣の繊維化と深く関わっていることが分かり、脱繊維化=卵子の若返りも可能となりました。第4世代の黄体ホルモン(ドロスピレノロン)が抗アンドロゲン作用を持ち、これを含んだピルを服用すると男性ホルモンが卵巣の炎症や脱繊維化を誘導しますのでそれを防いでくれ、卵巣の血流の改善を促し、卵胞発育を改善してくれます。 - 子宮内フローラ 2017年10月~
腸内フローラのように、子宮内を守ってくれる乳酸菌がたくさんいることが妊娠に大事だということがわかりました。腸内細菌と相関性があり、排卵近くから黄体期にかけて採取するのがいいと言われています。 - 有機酸検査 2016年12月~
腸内フローラや栄養状態、代謝の様子、葉酸をうまく使える人かもわかります。当院の不妊患者の85%の方がカンジダ菌 の異常増殖により、腸内細菌や麹菌が減少し、それらの菌が作ってくれる多くのビタミン群、特に代謝に必要なビタミン B2、B6、B3などの産生が抑制され、またシュウ酸が多く産生されて代謝に必要な鉄やマグネシウムをキレートして しまうため、それらのミネラル不足を招いてしまいます。 - ピルビスワーク 2017年4月~
椅子を使用して行う椅子ビスワークになり、難易度が下がり、参加する楽しみがアップしました。 腸腰筋は一番大きな筋肉で、いつも働いていますので、少しでも動かせば卵巣や子宮を温めて妊孕性をアップしてくれます - 分子整合栄養学 2010年~
採血結果で、ビタミン不足や貧血、カロリー不足、淡白不足、耐糖能異常などわかります。