新年を迎えられ皆様は如何お過ごしでしょうか?
当院は昨年12月から有機酸検査を始めて、栄養療法の内容が一段とレベルアップしました。具体的には、有機酸検査を受けた患者さんのすべてが腸内カンジダ菌の異常増殖(SIBO)を伴い、腸の炎症が多い方が殆どでした。また、腸の炎症があるため、副腎がその炎症を抑えるためにオーバーワークになり、副腎疲労と女性ホルモンや男性ホルモン産生に障害が出ていることが分かりました。(副腎疲労症候群)ひどい方は腸漏れ症(リーキーガット症候群 LGS)となっていて、IgGによる遅延型アレルギーになっている人も散見されました。
カンジダは、さらにエネルギー産生を抑制する毒素とも呼べるべき酵素を出しますので、代謝にブレーキがかかり、多量のビタミンや蛋白質を投与しても改善があまり望めないことも分かって来ました。 さらには、その結果を拝見しますとそれぞれの人がTCA回路の回っていない原因が分かって来ますが結構違うことが分かりました。ですから治療にはオーダーメイドのサプリメントが必要になってきます。
院長である私も率先して調べてみると、腸管内にはカンジダ、善玉菌、悪玉菌のクロストリジウムがすべて過剰増殖しており、重症な副腎疲労となっていることが判明しました。また、皆さん以上にサプリは摂っていたのですが、多くのビタミンが低値で、ビタミンC等は副腎の代謝に殆ど使われているためか、非常な低値でした。(恥てなお猛省しています・・。)
結論として、腸管内の環境を良くしなければ、ホルモン産生もサプリメントの効果も期待できないという結果です。ですから、今年は腸内環境を良くするために食事指導(小麦や乳製品、砂糖を摂らずに玄米と豆乳と十割蕎麦、青魚、肉、豆類、野菜を勧める)からはじめて、サプリメントも各自に最適化された量を処方し、できれば減量もし、体感できる改善ができます。 なかなか妊娠できない方の原因究明に大きく貢献することでしょう・・。
それでもなかなか治らない人には、腸管の炎症(リーキーガット症候群 LGS)の程度を教えてくれるIgGによる遅延型アレルギー検査(IgG食物アレルギー検査)や代謝と栄養の評価をしてくれるアミノ酸検査などがあります。 栄養療法は根拠がないとよく言われますが、質量分析器の分析能力の向上によってもたらされた最新データーの集積で、今では最先端の医学となっています。しかし、この最新の医学を不妊治療に応用しているところは殆どありません。当院のモットーは「栄養療法は世界の不妊治療を変える」ですが、これを実現できるよう学会発表や講演会をしてゆきたいと思います。 本年もよろしくお願い申し上げます。
上の本は副腎疲労について、日本の副腎疲労の第一人者である本間先生がわかりやすく書かれた本なので、興味のある方は読んでみてください。皆さんの理解が深まることでしょう。多くの妊クリニックでアンチエイジングやサプリメントの類いを薦めていますが、少しは改善する可能性もありますがカロリー不足、鉄不足、蛋白不足を評価しないで善を期待できません。健康の基礎に立ち返って欲しいと思います。できれば多くの先生に右の本を読んで貰えれば、私もそうでしたが「目から鱗」が落ちて活眼できると思います。