無自覚の貧血が及ぼす影響

2024.04.01栄養

無自覚の貧血が及ぼす影響

日本で健康診断を受けた554,798 人を対象にしたヘモグロビン値の調査によると
貧血有病率は 15.1% と推​​定され、そのうち55.3% は診断されていませんでした。
また貧血患者のうち85.3%は治療を受けていなかった状況でした。
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健康診断を受けている人は、健康意識が比較的高い人なので、
貧血患者の半数以上が診断も治療も受けていない可能性を示唆しています。
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さらに貧血のある患者は、貧血のない患者に比べて、医療費が高く、QOLが低下し、生産性の損失が大きかった1)
という事がわかっています。
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妊娠と貧血の関係については
因果関係は確認されていないものの妊婦の貧血は早産および低出生体重児、
児の運動・認知機能の発達不良との関連が示唆されています2)
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ヘモグロビンが酸素を体中に運んでいるので
貧血があれば、酸素不足の状態ですから様々な異常や不定愁訴があっても不思議ではありません。
妊娠中の<息切れや疲れやすさ>だけでは済まないのですね。
妊娠してからの貧血改善は大変です。
なぜなら妊娠中は週数が進むにしたがって鉄需要が増加し、血液量そのものが増加するので
どんどん鉄欠乏状態が進みます。
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妊活しているなら今、しっかりと貧血対策をしましょう!
当院では、初診時そして定期的に貧血の検査を行っています。
栄養カウンセリングでは、その対策もお伝えしています。
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*参考文献*
1)Tomomi Takeshima, Yosuke Yamamoto, Kosuke Iwasaki, Chise Ha, Masahito Oishi, Asuka Sato, Yohei Sonoyama, Natsumi Honda, Hiromichi Niida & Jun Takeda (2023) Prevalence, treatment status, medical costs, quality of life, and productivity loss in Japanese adult patients with anemia: a real-world database study, Journal of Medical Economics, 26:1, 1386-1397
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2)Kang SY, Kim HB, Sunwoo S. Association between anemia and maternal depression: A systematic review and meta-analysis. J Psychiatr Res. 2020 Mar;122:88-96. doi: 10.1016/j.jpsychires.2020.01.001. Epub 2020 Jan 8. PMID: 31945502.