女性の不妊症と外食や中食頻度との関連

2025.02.05栄養

女性の不妊症と外食や中食頻度との関連

自宅で料理するか否かで
摂取できる栄養素の幅や量は大きく違うことがわかっています 1)
仕事が忙しく調理の時間がとれなかったり、疲労度が強いと
一般的には外食や中食の頻度が上がりますが
そうなると疲労のための回復の栄養素が十分に摂取できなくなるという
悪循環になってしまい、生殖に関するリスクも伴います

米国の調査によれば、不妊症の有病率は
外食頻度(家庭で調理しない食事)の上昇とともに統計的に有意に増加しています
週に1回以上の人では、 19.8% が不妊症を報告したのに対し、
1 日 1 回以下またはまったく外食をしなかった人では
それぞれ 13.6% と 8.6% でした
特にファーストフードやピザを1日1回以上食べる女性は
ファーストフードやピザをまったく食べない女性よりも不妊になる可能性が
2~3倍高かった(全調整OR、2.73、95% CI、1.15~6.48)と報告されています 2)

この論文の考察の中で参考にされている論文では
妊娠前からのファストフードの利用が高頻度であるほど、果物の摂取頻度が少ないほど
妊娠までの期間がやや長くなることを報告しています 3)

原因がわからない不妊症の場合、
まず「外食や中食の頻度を下げて、家庭で調理したものを摂取する」
というのが栄養素バランスを細やかに考えるよりも
優先されることと考えられます
忙しい、時間がない、疲れた…そんなときにどんな風に家庭で調理ができるか、
当院の栄養カウンセリングではそんなライフスタイルに
合わせたアドバイスも行っています

*参考文献*
1)Tiwari A, Aggarwal A, Tang W, Drewnowski A. Cooking at Home: A Strategy to Comply With U.S. Dietary Guidelines at No Extra Cost. Am J Prev Med. 2017 May;52(5):616-624. doi: 10.1016/j.amepre.2017.01.017. Epub 2017 Feb 28. PMID: 28256283; PMCID: PMC5401643.
2)Lee S, Min JY, Kim HJ, Min KB. Association Between the Frequency of Eating Non-home-prepared Meals and Women Infertility in the United States. J Prev Med Public Health. 2020 Mar;53(2):73-81. doi: 10.3961/jpmph.19.218. Epub 2020 Feb 10. PMID: 32268461; PMCID: PMC7142005.
3)Jessica A Grieger, Luke E Grzeskowiak, Tina Bianco-Miotto, Tanja Jankovic-Karasoulos, Lisa J Moran, Rebecca L Wilson, Shalem Y Leemaqz, Lucilla Poston, Lesley McCowan, Louise C Kenny, Jenny Myers, James J Walker, Robert J Norman, Gus A Dekker, Claire T Roberts, Pre-pregnancy fast food and fruit intake is associated with time to pregnancy, Human Reproduction, Volume 33, Issue 6, June 2018, Pages 1063–1070