【妊活ごはん】ウナギやレバー、野菜ジュースは大丈夫?

2025.05.14栄養

【妊活ごはん】ウナギやレバー、野菜ジュースは大丈夫?

妊活中のビタミンAについて
食事に関しての疑問にお答えします


前回のブログでは、妊活・妊娠中のサプリメント選び、
特にビタミンAの種類(レチノールとβ-カロテン)についてお伝えしました
今回は、食事からのビタミンA摂取について、
妊活中に心配に思いがちな「ウナギ」「レバー」「野菜ジュース」を取り上げます

「ビタミンAの摂りすぎは良くないと聞いたけど、うな丼を食べるのはダメ?」
「レバーも避けた方がいいの?」
「毎日飲んでいる野菜ジュースは大丈夫?」
といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません

◆食事のビタミンAも種類が大切!

まず、サプリメントと同じように、食品に含まれるビタミンAにも種類があります

レチノール(活性型ビタミンA): 主に動物性食品に含有
摂りすぎると体内に蓄積しやすく、特に妊娠初期の過剰摂取には注意が必要

β-カロテン(プロビタミンA): 主に緑黄色野菜に含有
体内で必要な分だけビタミンAに変換されるため、
β-カロテンとして摂取する分には過剰摂取の心配はほとんど無い

この2つの違いを頭に入れて、それぞれの食品を考えます

Q1. ウナギやレバーは食べてもいい?

ウナギ(特に肝)やレバー(鶏・豚・牛)は、レチノールを非常に多く含む食品です

「じゃあ、やっぱり食べない方がいいの?」 と心配になるかもしれませんが、
たまに食べる程度であれば、過剰摂取を心配しすぎる必要はありません

例えば、ウナギの蒲焼を1串(約100g)食べると、
1日の推奨量を大幅に超えるレチノールを摂取することになりますが、
妊娠期の耐容上限量
(これ以上摂るとリスクが高まる可能性がある量:2,700μgRAE/日)には、
まだ達しないことがほとんどです(※製品や部位によって含有量は異なります)

レバーも同様で、焼き鳥のレバーを1〜2本、
レバニラ炒めを一人前食べる程度であれば、
毎日続けない限りは大きな問題になることは考えにくいです

大切なのは、「頻度」と「量」です。
レバーやウナギが大好きで、
週に何回もたくさん食べてしまう…という場合は少し注意が必要ですが
「時々、ご褒美として楽しむ」「外食でたまに食べる」といった頻度であれば
神経質になりすぎず、美味しくいただいて大丈夫です

Q2. 野菜ジュースでビタミンA過剰になる?

「野菜ジュースで手軽に栄養補給!」と考えている方も多いですね
市販の野菜ジュースのパッケージを見ると、
「ビタミンAたっぷり!」と書かれていることもあります

でも、多くの野菜ジュースに含まれるビタミンAは、
原材料であるニンジンやかぼちゃ、トマトなどの
緑黄色野菜由来の「β-カロテン」が主体です

前述の通り、β-カロテンは体内で必要な分しかビタミンAに変換されません
そのため、野菜ジュースを飲むことでビタミンA(レチノール)が
過剰になるという心配は、基本的にありません

ただし、野菜ジュースには注意点があります。

糖分の摂りすぎ:
野菜ジュースの中には、飲みやすくするために糖分が多く含まれています
糖分の摂りすぎは血糖値・体重管理の面からも気をつけたいポイントです

野菜の生産場所が不明:
野菜ジュースに使われた野菜は、どんな生産地なのか、農薬の使用などは不明です
安全性には欠ける商品が多いかもしれません

野菜ジュースは手軽ですが、野菜そのものを食べる代わりにはなりません
食物繊維などは生の野菜より少ないことが多いので、
日常的な摂取には十分注意しましょう

ビタミンAは、赤ちゃんの正常な発育にも、お母さんの健康維持にも
欠かせない大切な栄養素です
過剰摂取のリスクばかりを気にして
必要な栄養素まで避けてしまうのはもったいないことです

ウナギやレバーも、野菜ジュースも、それぞれの食品の良い面があります
大切なのは、特定の食品に偏らず、様々な食品をバランス良く食べることです
もし、食事内容で不安なことや分からないことがあれば、いつでも管理栄養士にご相談ください

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