【米国の新・食事ガイドライン】当院が目指す妊娠しやすい体づくり②

2026.02.18栄養

【米国の新・食事ガイドライン】当院が目指す妊娠しやすい体づくり②

前回は、今年1月に発表されたアメリカの新しい食事ガイドライン
(Dietary Guidelines for Americans)に基づき
「超加工食品を控えること」が妊活において重要ことをお伝えしました

今回は、その続編です
加工食品を控えることと並び、
当院の食事指導で私たちが繰り返してお伝えしているもう一つの柱です
それは「タンパク質を十分に摂取すること」です

なぜ、これほどまでにタンパク質が必要なのでしょうか?
今回はその「理由」と、前回のテーマである
「加工食品の制限」との重要な繋がりについて深掘りします

1. 人体はタンパク質でできている

私たちの体は、水分を除くとその大半が
タンパク質で構成されています
筋肉や皮膚はもちろん、内臓、血管、そして卵子や精子
受精卵が着床する子宮内膜も
すべてタンパク質(アミノ酸)が材料です

妊活において最も重要な「細胞分裂」は
DNAの情報を元にタンパク質を合成する作業そのものです
材料が不足していては、どれほど高度な不妊治療を行っても
質の良い卵子を育て、
ふかふかの子宮内膜を作ることは難しくなってしまいます

2. ホルモンと酵素の材料になる

見落とされがちなポイントですが、
排卵を促すFSH(卵胞刺激ホルモン)や
LH(黄体形成ホルモン)などのホルモンや
体内の代謝に関わる酵素
これらもまた、タンパク質から作られています

「治療への反応が悪い」「ホルモン値が安定しない」
そうしたお悩みがある場合、
まずは身体の土台となるタンパク質が充足しているかを
見直す必要があります
十分なタンパク質摂取は、
治療や薬剤の効果を最大限に引き出すための土壌作りとなります

3. 「加工食品を控える」と「タンパク質」の密接な関係

「タンパク質を摂りましょう」とお伝えすると、
仕事がお忙しい・調理に時間がとれないと、つい市販のハンバーグや唐揚げなどの加工肉に
手が伸びてしまいやすいものです
しかし、これらは前回お話しした通り
食品添加物や質の悪い脂質を多く含む「超加工食品」です

最新の米ガイドラインが推奨するのは
「Nutrient-Dense(栄養密度の高い)」な食品です
加工肉でタンパク質を稼ぐのではなく、魚、鶏肉、
卵、大豆製品など、素材そのものの形がわかる
「本物のタンパク質」を選ぶことです
これこそが、「妊娠体質」への近道の食事です

4. 具体的にどれくらい、どう食べる?

厚生労働省の基準では成人女性の推奨量は1日50gですが
妊活中、特に採卵周期や移植周期にある方には、
体重1kgあたり1.2g〜1.5g(体重50kgの方で60〜90g以上)を
目標にすることをお勧めしています

そのためには…

★朝食を抜かない: 朝食でタンパク質が不足すると
1日の血糖変動が大きくなり、ホルモン分泌にも影響します
代謝とホルモンの安定のためにも、
睡眠中に枯渇したアミノ酸を補うためにも
朝に卵1個と納豆を追加する

★「片手一杯」の法則: 毎食、自分の片手のひらサイズ
(指を含まず)以上の肉や魚を食べる

★動物性と植物性のバランス: 鉄分や亜鉛が豊富な「動物性」と
抗酸化作用のある「植物性」を1:1で組み合わせるのが理想です

「加工食品を減らし、良質なタンパク質をたっぷり摂る」
言葉にするとシンプルですが、
これを毎日続けることが、
細胞レベルで身体を変えていく最短ルートです

毎日の食事が、数ヶ月後の卵子の質を決め、
未来の赤ちゃんを作る材料になります
.
ご自身の食生活で「何を選べばいいか分からない」という方は、
ぜひ栄養カウンセリングにてご相談ください
あなたのライフスタイルに合わせたプランを一緒に考えましょう

管理栄養士