甲状腺と「糖質オフ」の落とし穴

2026.08.19栄養

甲状腺と「糖質オフ」の落とし穴

妊活中に適正な体重にコントロールすることは、
排卵をスムーズにし、妊娠しやすい体をつくる上でとても大切です
そのため、「糖質オフ(糖質制限)」に挑戦される方も多くいらっしゃいます
けれど妊活中の自己流な糖質オフには、知っておいていただきたい大きな「落とし穴」が存在します

多くの方が「主食(お米やパン)を抜くこと」だけに意識が向き、
減らした分のカロリーをタンパク質や質の良い脂質で補えていません
その結果、糖質不足だけでなく単なる「全体のエネルギー失調」に陥ってしまうケースがあります

身体に入るガソリンが著しく不足すると、
脳や身体は「命の危険(飢餓状態)」だと判断します
すると無駄なエネルギー消費を抑えて命を守るために、
代謝の司令塔である「甲状腺ホルモン」の働きに強力なブレーキをかけます
甲状腺が「省エネモード」に入っていしまうわけです

省エネモードに入ってしまうと、体内で熱が作れなくなり、
35度台の低体温や頑固な冷え症が起こります
さらに身体は「妊娠どころではない」と判断するため、
排卵障害や生理不順、子宮内膜の発達不全、さらには
卵子のエネルギー不足による質の低下までも引き起こしてしまうのです

特に次のようなタイプの方は、自己流の糖質オフによって
省エネモードに陥りやすいため注意が必要です

・もともと痩せ型〜標準体型で、体脂肪や筋肉の蓄えが少ない方
・立ち仕事や子育て、運動などで日常の消費エネルギーが大きい方
・胃腸が弱く、隠れ貧血(鉄欠乏)があり、栄養の吸収力が低い方

身体にストックがない状態で糖質を極端に抜いてしまうと、
あっという間に代謝が落ちて、かえって妊娠から遠ざかってしまうことになりかねません

本来妊活における正しいダイエットとは、
単に体重の数字を減らすことではありません
体内の代謝を活性化させ、細胞の一つひとつを元気にし、
赤ちゃんを迎えるための温かい体をつくることが真の目的です

当院では、医師と管理栄養士による「ダイエットプログラム」を実施しています

当院のプログラムは、自己流のような危険なエネルギー不足に落とし込まないよう確認しています
お一人おひとりの体質や血液検査データ、普段の生活スタイルを分析し、
甲状腺の機能を落とさないよう適切なエネルギー量を設計します
必要なタンパク質や質の良い脂質をしっかり摂りながら、
健康的で「妊活にもしっかり効果のある体づくり」をサポートいたします

「体重を落としたいけれど、妊活に悪影響が出ないか不安」
「過去に糖質制限をして、冷えがひどくなったり生理が遅れたりした経験がある」

このようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください
自己流で体に負担をかけてしまう前に、医療機関での効果的なダイエットをお勧めします

管理栄養士