2026年10月24日に開催された第12回母子栄養懇話会学術集会におきまして、
教育講演Ⅰ「栄養・免疫・胎盤形成から考える不妊症・不育症」の
座長を務めさせていただきました
演者は、日本医科大学 女性診療科 産科の市川智子先生です
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講演の柱は、妊娠前の栄養状態が、妊娠の成立や胎盤形成、胎児の発育、
さらには生まれたお子さんの将来の健康にまで影響するという点にありました
国際産婦人科連合(FIGO)も「Think Nutrition First」を掲げ、
妊娠前から栄養を考えることの重要性を提唱しています 1)
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とくに印象に残ったのは、食事が単なる栄養補給ではなく、
腸管免疫と全身の炎症状態を調節する因子として捉えられている、という視点です
飽和脂肪酸や精製された糖質、加工食品の多い食生活は、慢性的な炎症を促す可能性があります
そして慢性炎症は、卵子や精子の質、排卵、子宮内膜の機能、着床、胎盤形成にまで関わり、
不妊症や不育症との関連が示唆されています 食事の炎症の起こしやすさを数値化する、
食事性炎症指数(DII)という研究も進んでいます 2)
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座長席で聴きながら、私は少し胸が熱くなりました
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当院では十数年前から、栄養療法を診療の一部として続けてまいりました
検査と治療だけでは届かないところがある
食べ方が変わると、体が変わる その実感を、日々の診療のなかで積み重ねてきました
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その積み重ねが、いま学術の言葉で裏づけられ始めています
現場の経験が研究と出会い、「なぜそうなるのか」を患者さんにお伝えできるようになってきました
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妊娠を望まれるとき、何を食べるかは、治療と並ぶ大切な柱のひとつです
特別な食品を足すことではなく、日々の食事全体を整えることです
当院はこれからも、治療と栄養の両輪で皆さまに伴走してまいります
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理事長 出居 貞義
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出典
Hanson MA, et al. The International Federation of Gynecology and Obstetrics (FIGO) recommendations on adolescent, preconception, and maternal nutrition: "Think Nutrition First". Int J Gynaecol Obstet. 2015;131 Suppl 4:S213-S253.
Shivappa N, et al. Designing and developing a literature-derived, population-based dietary inflammatory index. Public Health Nutr. 2014;17(8):1689-1696.