妊活の足を引っぱる「腸活NG習慣」と改善策

2025.07.17栄養

妊活の足を引っぱる「腸活NG習慣」と改善策

前回のブログでは、
腸内環境が「栄養の吸収・産生」「炎症コントロール」「子宮内フローラ」といった面から
妊娠力に深く関わっていることをお伝えしました

今回は一歩進んで、知らず知らずのうちに
腸内環境を悪化させてしまっているかもしれない
日常に潜む「NG習慣」とその改善策について具体的にお伝えします

腸内フローラのバランスは日々の食事内容に大きく左右されます
特に以下の食事は、悪玉菌を増やし、善玉菌が働きにくい環境を作ってしまいます

◆高脂肪・高糖質な食事
フライドポテトなどの揚げ物、菓子パン、ケーキ、スナック菓子
甘い清涼飲料水などは、悪玉菌の大好物です
これらを頻繁に摂ると、悪玉菌が優勢になり
腸内で有害物質が作られやすくなります
また、過剰な糖質は体内で「糖化」という現象を引き起こし
卵子の質の低下に繋がる可能性も指摘されており、妊活中は特に注意が必要です

◆加工食品・食品添加物の多い食事
手軽で便利なインスタント食品、加工肉(ハム、ソーセージなど)
コンビニ食に頼りがちになっていませんか?
これらに含まれる一部の保存料や乳化剤などの食品添加物は
腸内細菌の多様性を損なう可能性があるという研究報告があります
腸内細菌の種類が減ることは、腸内環境の悪化に直結します


善玉菌の大切なエサである「食物繊維」
白米や白いパン、パスタなどを主食とし
野菜やきのこ、海藻をあまり食べない食生活では食物繊維が不足しがちです
エサが足りなくなると、善玉菌は元気に活動できずその数も減ってしまいます

食事だけではなく、見落としがちなNGライフスタイルがあります
腸の働きは自律神経によってコントロールされているため、生活習慣も大きく影響します

◆ストレス
「脳腸相関」という言葉があるように、脳で感じたストレスは
自律神経を介して直接腸に伝わります
妊活中は特にナーバスになりがちですが強いストレスは腸の動きを鈍らせ
腸内フローラのバランスを乱す原因になります

◆睡眠不足・不規則な生活リズム
睡眠不足や昼夜逆転の生活は、体内時計を狂わせます
腸にも活動と休息のリズムがあり
これが乱れると正常な働きができなくなり便秘や下痢などを引き起こしやすくなります

◆運動不足
デスクワークなどで体を動かす機会が少ないと、血行が悪くなるだけでなく
腸の蠕動(ぜんどう)運動も弱まりがちです
これも便秘の大きな原因となります

「腸にやさしい」習慣へのシフトをするためには
完璧を目指す必要はありません
まずは一つ、できることから始めてみましょう!

◆食事の改善
「まごわやさしい」(豆・ごま・わかめ(海藻)・野菜・魚・しいたけ(きのこ)・いも)
を意識して品目を増やす
主食を玄米や雑穀米にする
おやつをナッツや果物、小魚に変えてみる

◆生活の改善
寝る前にスマホを見るのをやめリラックスする時間を作る
1日20分程度のウォーキングから始めてみる
ゆっくりお風呂に浸かって心と体を休める

腸内環境は一日で劇的に変わるものではありません
けれど日々の小さな積み重ねが数ヶ月後のあなたの体
そして未来の赤ちゃんのための大きな一歩となります
焦らず、ご自身のペースで取り組んでいきましょう
食事や生活習慣について、何か困ったことがあればいつでもご相談ください

管理栄養士