今月(2026年1月)、栄養学の世界で非常に大きなニュースがありました
アメリカの保健福祉省(HHS)と農務省(USDA)が
5年ごとに改定する「米国人のための食生活ガイドライン(2025-2030年版)」を発表したのです 1)2)
世界の栄養政策の指標ともなるこのガイドラインですが、
今回はこれまでの常識を覆すような「大きな転換」が含まれており
私たち専門家の間でも衝撃が走っています
そしてその内容は、まさに「妊娠しやすい体づくり」をモットーとする
当院がお伝えしてきたことばかりでした
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◆キーワードは「脱・超加工食品」
今回の改定で最も注目すべき点は、「超加工食品(ウルトラ・プロセスト・フード)」
に対する厳しい警告が初めて明確に盛り込まれたことです 1)
これまでは「脂質を控えましょう」「カロリーを適正に」といった
数値目標が中心でしたが、新ガイドラインでは「何を食べるか(食事の質)」が最優先されました
具体的には、スナック菓子、甘い清涼飲料水、冷凍ピザ、即席麺といった
工場で高度に加工され、添加物や糖分が多く含まれる食品を徹底して避けるよう求めています
その代わりに推奨されている合言葉が、「Eat Real Food(本物の食べ物を食べよう)」です 3)4)5)
肉、魚、卵、野菜、果物、ナッツなど、素材そのものの形がわかるものを食べることが
健康の土台であると再定義されたのです
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◆なぜ「妊活」に重要なのか?
「加工食品を控える」
――当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが
これは妊活において決定的に重要です
なぜなら、超加工食品の過剰摂取は、
体内で「慢性的な炎症」を引き起こす最大の要因の一つだからです!
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◆卵子の質と炎症
体内の炎症レベルが高いと、細胞の老化(酸化ストレス)が進みやすくなります
卵子や精子の質を保つためには、この「酸化」と「炎症」をいかに防ぐかが鍵となります
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◆ホルモンバランスと血糖値
今回のガイドラインでは「添加糖(Added Sugar)」の制限も強化されました
糖質の過剰摂取による血糖値の乱高下は
インスリン抵抗性を引き起こし、排卵障害(PCOSなど)のリスクを高める可能性があります
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つまり、カロリー計算に必死になるよりも
「今日食べたものは、工場で作られたものか? 自然の恵みか?」を意識することの方が
妊娠体質への近道になるということです
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◆今日からできる「Real Food」妊活
いきなり変えることは難しいと思われる方は
まずは以下の3つから意識することをお勧めします
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①間食を「本物」に変える
クッキーやチョコを、素焼きのナッツや季節の果物、ゆで卵に変えてみましょう
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②成分表示を見る癖をつける
裏面の原材料名を見て、「台所にない名前(知らない添加物)」
がたくさん並んでいたら、棚に戻す勇気を
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③タンパク質は「素材」から
プロテインバーや加工肉(ハム・ソーセージ)に頼りすぎず、
焼いた魚や肉、納豆など、原型のわかる食材を選びましょう
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◆おわりに
「食事を変える」ことは、未来の赤ちゃんを迎えるための
体という「お部屋」を、きれいに整える作業です
今回の米国のガイドライン変更は
私たちが本来食べるべき食事のあり方を思い出させてくれるものでした 3)4)5)
当院の栄養カウンセリングでは、無理な制限ではなく、
何を足せば細胞が喜ぶか」という視点で
お一人おひとりのライフスタイルに合わせたアドバイスを行っています
食事のことで迷ったら、ぜひお気軽にご相談ください^_^
一緒に、心地よい体づくりを進めていきましょう
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管理栄養士
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*参考資料*
1)https://www.wiley.law/alert-New-Federal-Nutrition-Guidelines-Signal-Continued-Scrutiny-of-Ultra-Processed-Foods
2)https://www.cspi.org/sites/default/files/2026-01/20260107_CSPI_uncompromisedDGA_report_4_FINAL.pdf
3)https://www.pbs.org/newshour/health/heres-whats-in-new-dietary-guidelines-from-the-trump-administration
4)https://nutritionsource.hsph.harvard.edu/2026/01/09/dietary-guidelines-for-americans-2025-2030/
5)https://cdn.realfood.gov/DGA.pdf
(いずれも2026.1.28最終閲覧)