「タイパ」重視の妊活

2026.07.01栄養

「タイパ」重視の妊活

近年、効率や時短を重視する『タイパ』が定着し、
手軽に栄養が摂れる『完全栄養食』や『プロテイン』が大流行しています
忙しい妊活中の方にとって、これらは便利な味方ですね
しかし、これらだけに頼った食生活には妊活における落とし穴が潜んでいます
今回は、便利な加工食品との正しい付き合い方を科学的な根拠を交えて考えます

★「『噛まない食事』がもたらす妊活への影響」

完全栄養食のパンやドリンクは栄養が計算されていますが、
圧倒的に『咀嚼(噛むこと)』の回数が減るデメリットがあります
海外の研究などでも、咀嚼は消化酵素の分泌を促すだけでなく、
血糖値を安定させるホルモンの分泌と深く関わっていることが示されています 1)
よく噛んで食べることは、
卵子の質に影響を与える『血糖値の乱高下』を防ぐために重要です
柔らかい食事ばかりでは胃腸の働きが弱まり、栄養の吸収率が下がる原因にもなります

★「添加物と腸内環境の乱れ」

タンパク質を補うためにプロテイン製品を愛用する方も増えています
しかし、市販のプロテインや完全栄養食の多くには、
人工甘味料などの添加物が含まれています
近年の研究では、一部の人工甘味料が腸内環境を悪化させることが報告されています 2)
着床率に影響する『子宮内フローラ』は
腸内環境と深く関係しているため注意が必要です
プロテインだけで栄養を満たそうとすると、
食品添加物の過剰摂取になりやすいリスクがあります

★「補助としての組み合わせ術」

これらは全否定するものではなく、
忙しい日の『補助』として賢く取り入れるのが正解です
例えば、完全栄養食のパンを食べる場合は、
よく噛むためにサラダをプラスしたり、具だくさんのスープを添えましょう
プロテインを飲むなら無添加のものを選び、
食事で不足した分の補給として活用するのがおすすめです
基本は本物の食材から栄養を摂り、
時間が足りない時のレスキューアイテムとして活用してください

★「おわりに」

私たちの体は、食べたものを消化・吸収して初めて
体の一部である細胞へと生まれ変わります
利便性を上手に活つつ、美味しいと感じる食事をベースにしていきましょう
具体的な選び方やメニュー提案は、いつでも当院の管理栄養士にお尋ねください!

管理栄養士

*参考*
1)Li J, Zhang N, Hu L, Li Z, Li R, Li C, Wang S. Improvement in chewing activity reduces energy intake in one meal and modulates plasma gut hormone concentrations in obese and lean young Chinese men. Am J Clin Nutr. 2011 Sep;94(3):709-16. doi: 10.3945/ajcn.111.015164. Epub 2011 Jul 20. PMID: 21775556.
2)Suez, J., Korem, T., Zeevi, D. et al. Artificial sweeteners induce glucose intolerance by altering the gut microbiota. Nature 514, 181–186 (2014). https://doi.org/10.1038/nature13793