妊娠を考えるとき、
体格(肥満度)はとても大事です
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なぜなら、脂肪は「ホルモンをつくり変える臓器」だからです
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「体重のことはわかってはいるんだけど、でも、それと妊娠は関係あるのかな」
と思われる方がいらっしゃるかもしれません
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非常に関係があります
けれどそれは、努力が足りないという話ではありません
体のしくみの話です
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脂肪組織は、エネルギーをためておく倉庫ではありません
ホルモンをつくり変える、りっぱな内分泌臓器です
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エストロゲン、黄体ホルモン、男性ホルモン、コルチゾール
これらは「ステロイドホルモン」と呼ばれ、どれもコレステロールからつくられる仲間です
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そして脂肪組織にはアロマターゼという酵素があり、
男性ホルモンをエストロゲンにつくり変えています 1)
脂肪が増えるということは、この変換工場が大きくなるということです
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女性ホルモンが増えるなら良いのでは、と思われるかもしれません
けれど排卵は、エストロゲンが「上がって、下がる」という波によって起こります
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工場が大きくなると、エストロゲンは波ではなく、だらだらと出つづける状態になります
すると脳は「もう足りている」と判断し、卵を育てる指令であるFSHとLHの波を弱めてしまいます
★ 卵が育たない
★ 排卵が遅れる
★ 生理が不順になる
その背景に、このホルモンの乱れがあります
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もうひとつの柱が、インスリンです
内臓脂肪が増えるとインスリンが効きにくくなり、体は多くのインスリンを出します
するとSHBGというホルモンの運び屋が減り、はたらける男性ホルモンが相対的に増えます 2)
これが卵胞の発育をさまたげ、多嚢胞性卵巣に似た状態をつくります
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さらに脂肪組織からは炎症を起こす物質も出ていて、
これは卵子の質、子宮内膜の受け入れやすさなどにも影響します
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数字にもあらわれています
・排卵のある方でも、BMIが29を超えると1増えるごとに、自然妊娠の可能性が約4%ずつ下がると報告されています 3)
・体外受精でも、肥満のある方は出産に至る割合が低くなります 4)
・妊娠しても流産の確率が上がるという報告もあります 5)
・そして男性も同じで、BMIが高いほど精子の数は少なくなります 6)
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ここからが、いちばんお伝えしたいところです
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すべてを落とす必要は、まったくありません
体重の5〜10%を減らすだけで排卵が戻る方が多いことがわかっています 7)
70kgの方なら、3.5〜7kgです
減量してから治療に進んだ方のほうが、出産に至った割合が高いという研究もあります 8)
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当院では、健康的に痩せられるよう
薬剤・サプリメント・栄養カウンセリングなどの
【医療ダイエットプログラム】をご用意しています
BMI30以上の方を主な対象としていますが、BMI25以上であればご相談いただけます
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自己流の食事制限は、栄養が不足してかえって排卵を乱してしまうことがあります
減らし方を間違えないことが、いちばんの近道です
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体重は、あなたの努力の点数ではありません
妊娠しやすい体をつくる、条件のひとつです
気になる方は、次の診察のときに「ダイエットのこと」をご相談ください
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院長 柳由紀
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*参考文献*
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1)Nelson LR, Bulun SE. J Am Acad Dermatol. 2001;45(3 Suppl):S116-124.
2)Nestler JE, et al. J Clin Endocrinol Metab. 1991;72(1):83-89.
3)van der Steeg JW, et al. Hum Reprod. 2008;23(2):324-328.
4)Rittenberg V, et al. Reprod Biomed Online. 2011;23(4):421-439.
5)Boots C, Stephenson MD. Semin Reprod Med. 2011;29(6):507-513.
6)Sermondade N, et al. Hum Reprod Update. 2013;19(3):221-231.
7)Clark AM, et al. Hum Reprod. 1998;13(6):1502-1505.
8)Legro RS, et al. J Clin Endocrinol Metab. 2015;100(11):4048-4058.